推しが尊い。

隣国アイドルを泣きながら爆推しするブログ

"そのままで特別なあなた"―練習生と誠実に向き合った【Nizi Project】

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先日、日本列島を熱狂の渦に巻き込んだオーディション番組「Nizi Project」がフィナーレを迎えました。


昨年放送された「PRODUCE 101 JAPAN」に狂っていた身としては、虹プロの"大衆認知度"が日プに比べて遥かに高かったように感じています。


そもそも、Part1の配信が開始した時から意外にもK-POPヲタクじゃない層の視聴率が高いなという印象はありました。

どうやら「韓国で人気のオーディション番組の日本版」より「TWICEの妹分を発掘する番組」の方が、ライトな韓国好きには響いた模様。


それに加えて新型コロナウイルスによるステイホーム期間に動画需要が高まったこと朝の情報番組「スッキリ」による特集の影響も大きく、ファイナルに向けてお茶の間にも広く受け入れられていきました。


そうして誕生したガールズグループNiziUの人気は飛ぶ鳥を落とす勢いで、"国民的ガールズグループ"という認識が当たり前になる日もそう遠くないでしょう。(さっきから地味に文字色にこだわっている)

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www.youtube.com


虹プロを見ながら人としてもヲタクとしても考えさせられることが多かったですし、従来のオーディション番組や日本のアイドル界が忘れかけていた大切な何かを示してくれたような気がしました。

こんな感じで虹プロ放送終了後も番組の余韻が抜けず、ただ雑多な考えが頭の中をグルグルとしていたので、整理するためにもブログに書き残してみます。


そして今回もご多分に漏れずクッッッッソ長い記事になりそうなので、目次つけてみました。ご活用くださいませ。

①明らかに変わったJ.Y.Parkの眼差し

練習生を厳しくも優しい指導で導き、今やすっかり日本中から愛されているJ.Y.Park。

自らの地位に驕ることなく日々トレーニングを継続するストイックさや、虹プロのために学んだという日本語で練習生に語りかける姿に驚いた視聴者も多かったと思います。


一方、私は別の意味でも非常に驚いていました。




餅ゴリ、そんなアッパミソ浮かべる人だったん?

※アッパミソ=父親が子どもを見守るような微笑み




私は過去に2回、JYPのサバイバル番組を見てきています。

2015年、JYPの新たなガールズグループ「TWICE」を選抜するために16人の練習生が競った「SIXTEEN」

2017年、元々グループとして練習していた9人が"全員デビュー"を目指して挑む過程を描いた「Stray Kids」


この2番組、演出に対する不信感は抱きつつも(これについては後述します)虹プロ同様にJ.Y.Parkの細かな講評もちゃんとありましたし、YGのサバイバルよりは遥かに好感を持って見ていました。爆笑

そんな過去のサバイバル番組と虹プロを比べて、J.Y.Parkが練習生に伝ようとしていること大切にしている評価基準は何ら変わっていないと思います。


「真実、誠実、謙遜(謙虚)」の授業もありましたし

【SIXTEEN】
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【Stray Kids】
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Stray Kidsはボーイズグループなので「過去にタバコを吸ってたことを後悔してる」「女性と楽しむ目的の酒席には行かない」といった具体例を挙げたり、その授業後に感じたことを作文に書いてJ.Y.Parkの前で読むというところまであったので非常に面白かったです。

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一生懸命読んでるイエ二ちゃんの可愛さプライスレス!


ただ、この時のJ.Y.Parkに対する印象はあくまで"厳しいプロデューサー"でした。

それが虹プロを見てビックリ、練習生を見つめる眼差しが温かすぎる件について。


私の記憶違いだったのかな…?と不安になったので、久々にSIXTEENを見返してみました。


例えばスター性評価の時。

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…えっ??



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感情どこいった???




虹プロのスター性評価は全て放送されてないのでわかりませんけど、基本めっちゃ微笑ましそうに眺めてたじゃないですか。

伝説のアヤカの四次元テニス講座ですら、この表情。

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困惑しつつも「何か良いところがあるのかも」と探ってくれてる感じがするというか。実際、他の練習生に「これは面白いんですか?」と確かめてたし、結局キューブまであげてたわw


もはや練習生の用意したステージより「このままJ.Y.Parkは最後まで優しく見守るのか!?」という部分にワクワクしながら見てしまった。



ダンスや歌に関しては虹プロでも厳しい評価が下されることがありましたが、そんな場面ですら確実に何かが違って見えました。

直前まで入院していた事情を知らず、東京合宿でアカリのダンスを酷評するシーン。

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もちろん人によって感じ方は違うと思いますが、私はどこかSIXTEENの時とは異なる印象を受けました。

プロデューサーとして指摘する厳しさの奥に、「もっとできると知っているからこそ惜しいんだよ」父親が娘に諭すかのような優しさがひそんでいる気がして。


5年前と今でJ.Y.Parkの何が変わったのかを考えてみると、まず2019年に第一子が誕生しリアルパパになったことは理由としてあるんじゃないかと思います。

あと、お子さんが生まれる前に「Wonder Girlsまでは叱れたけどTWICEまで来ると年齢差がありすぎて叱れない」と話したりもしていたので、そういった意味でもやはり虹プロの子たちはほとんど娘のような感覚だったのかもしれません。

mottokorea.com


そしてもうひとつ、これが一番大きい理由かなと思ったのは虹プロの参加者は全員自分が選んだということ。


基本的にJYPの練習生を選ぶのはキャスティングチームであり、J.Y.Parkは「さて次のデビューグループを固めていこう」くらいの段階で関わり始めるものです。

ミナがSIXTEENに参加した時、練習生になってから1年くらいは経ってみたいなのに彼女のことをよく知らなかったようだし、約3年もJYPにいたマコですら彼を見たのはたまたまエレベーターで一緒になった時とか言ってたし。


だから過去のJYPサバイバルに出演していた練習生たちはあくまで「JYPのトレーナーが育てたデビュー候補生」であり、J.Y.Parkの役割は「デビューに値する子を選ぶ」ことでした。(サバイバル中に見せた成長も評価してはいたけど)


一方、虹プロではJ.Y.Park自身が全オーディションに足を運び、時間をかけて可能性を感じる"原石"を選び抜きましたよね。

そして見つけた"原石"を磨いて"宝石"にする、つまり自分が彼女たちを育てるという覚悟を持って虹プロに1年以上の月日を費やしてきたわけです。

そのせいか今までの番組に比べてもJ.Y.Parkと練習生の距離感が近いように見えたし、彼にとってもより思い入れの強い教え子になったのではないか?と予想。


そういった意味で、虹プロはJYPオーディション史の中で見ても新しかったと感じています。



②"認められること"で生まれた自信

韓国のオーディション番組と比べながら虹プロを見ていると本当に色々な発見がありましたが、やはり日韓練習生の違いは一番興味深かったです。

虹っ娘たちは全体的にとにかく控えめで、JYP練習生の4人以外は自信もあまり無さそうなんですよね。


韓国の練習生だって常に強気でポジティブな発言ばかりしている訳ではありませんが、あくまで最初は「보여주자=見せてやろう!」の意気込みが感じられます。その後、厳しい評価を受けたら自信を失っていくパターンはあるけど。

それに比べて虹プロの練習生は、やる前からなんだか自信がない。「上手くできるかわからないけどがんばります」、、、そんな感じ。


その差ってどこで生まれるんだろう?と思っていたのですが、オーディションが進む内に腑に落ちるところがありました。

それは、J.Y.Parkに称賛されて涙を流す練習生の多さ。


確かにSIXTEENでも、最終ステージで集大成を褒められて涙する子はいました。でもその他のミッションでは、J.Y.Parkの高評価を受けたら達成感に満ち溢れた表情を浮かべる子が多かったと思います。

その理由は恐らく、その称賛に値するほどの努力をしてきたという自信と自負があるから。

JYPの練習生はJ.Y.Parkに認められてデビューすることを最終目標として練習を積み重ねてきているので、当然といえば当然かもしれません。


虹プロでは、歌手の練習生としてトレーニングを受けたことのない子が多く集まりました。

10代の子が日常生活の中で親や先生など周りの大人に褒められたくて頑張ることはあっても、「絶対にこの人に認められたい」と切望して何かに打ち込む状況ってなかなか無いし、努力が全て報われるくらいの称賛を受けることもそんなにありません。

あと、日本人って周りに「調子乗ってる」と思われることを極端に嫌いますからね。多感な時期だと特に、それでハブられたりもするし…。


そんな子たちの中に初めて"誰よりも認められたい存在"が生まれ、努力した結果、認められるという最高の成功体験をした。

その過程こそが、彼女たちに確固たる自信を芽生えさせたのです。


だから東京合宿あたりまではJ.Y.Parkに褒められた練習生が「まさか」といった感じで泣き出すシーンをよく見ましたが、韓国合宿終盤にも差しかかると自信に溢れる表情で受け入れる子も多かったですよね。(ニナは最後まで泣いてたけどw)


この仮説を裏付けてくれる、そして虹プロの特異性を語る上でも欠かせない練習生がアヤカじゃないかと思います。

もはや虹プロという番組を体現しているとさえ言ってもいい。


アヤカといえばMiss Aのスジに似すぎてJ.Y.Parkも最初からメロメロでしたが、歌やダンスのスキルでは他の練習生に遅れを取っていたこともあり、当初は自信なさげでフワフワした子でした。

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「頑張る」に「つもり」つけちゃうんかいっていう。そこは口だけでも「頑張ります」って宣言しとこう!?みたいな。


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韓国合宿のソロステージミッションでも、この感じ。「ビリじゃなければいい」って韓国人練習生だったらほぼ言わなそうなセリフだなw


こんな感じで基本自信なさそうだったアヤカですが、ステージの度に「本当に成長した」「頑張って練習したことがわかる」とJ.Y.Parkから賞賛の言葉をかけられます。

JYPのトレーナー陣からも評価が高かったようなので、本当に一生懸命やる子なんだろうなーと。今思えば、東京予選でJ.Y.Parkと約束したことをしっかり守っていたんですね。


そんな韓国合宿を通して、アヤカが(恐らく)初めて「自信がある」と口にするシーンがあります。

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「全員がデビューできなかったとしたらNiziのメンバーは何人?」という質問に自らを選び、堂々とした表情で「頑張っていく自信がある」と話したのです。


私はこの「頑張っていく自信」がポイントだと思っていて、J.Y.Parkに何度も認められた「努力」や「成長」という部分に自分の強みを見つけることができたんだなと。


NiziUの中でも歌とダンスはあと一歩かな?というのがK-POPヲタクとしては正直な感想ですし、これが韓国のオーディションだったら選ばれてないとも思います。

でもJ.Y.Parkは選抜基準として「練習に取り組む姿勢」「どれだけ成長したか」を見ていると明言していますし、だからこそアヤカの努力できるという才能を褒めて伸ばし続けました。


そんなアヤカがNiziUに選ばれたことこそ、虹プロの醍醐味であり面白さだったのではないでしょうか。

あとアヤカのスタイルの良さがハンパではないので、生で見たらオーラもズバぬけてるんだと思います、多分。



③余計な演出を排除した真摯な番組構成

ここまで散々「Nizi Project」と「SIXTEEN」を比較してきましたが、そもそも分類するのであれば前者は"オーディション番組"であり後者はゴリゴリの"サバイバル番組"になると思います。

SIXTEENは日本人練習生が3人も参加するということでリアルタイムで視聴していました。今のTWICEの人気爆発っぷりを考えると、少なくとも日本では当時そこまで注目されていなかったように記憶しています。

そしてリアルタイム視聴組こそ、最終的にそこまでTWICEにハマれていない人が多いのでは?というのが私の持論でもある。


というのも、SIXTEENの参加者16人は練習生歴や年齢の差が大きく、序盤は個人ミッションが続いたために練習生同士の空気も相当ギスギスしていました。

更に練習生を「メジャー」と「マイナー」の2グループに分けて徹底的にメジャーを優遇するというシステム、誰かがマイナーから昇格する場合は降格する練習生のネックレスを奪う演出など、見ていて気分が良いとは言えない場面の数々。

写真撮影バトルで脱落したチェヨン(※現IZ*ONE)や1対1バトルで脱落したウンソなんかは、もはやグループで歌って踊ってる姿すら見せてないまま番組を去ったというのも恐ろしすぎましたね。

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↑まさに視聴者の声を代弁してくれたモモw


というか、そんなモモもSIXTEENの中盤で脱落しており、本来であればデビューするはずのないメンバーでした。それが急転直下、最後のメンバーとして名前を呼ばれてデビューしたのです。

今考えればモモのいないTWICEなんて有り得ないので結果オーライなのですが、この番組を盛り上げるための過度な演出も疑問でした。

SIXTEENの最終話を見てくれればわかるのですが、あの流れだと最後に名前を呼ばれるべきなのはチェリョン(※現ITZY)だし、きっと本人も期待したのに打ち砕かれたんじゃないか…と思います。


「Stray Kids」に関しても途中でリノとフィリックスは脱落しており、あの番組はそもそも全員デビューを目指していたのでファイナル前に復活してくれたこと自体は良かったのですが

最後、なぜか2人だけお立ち台みたいなところに立たされて結果発表!みたいな流れなんですよね。

いつかのV liveで言ってたと思うんですけど、元々あの演出を2人は知らされてなかったらしく、CM中に急に台が運び込まれてきて驚いたそうw


以上のことから、練習生全員に対して平等に機会を与え、無駄な演出は一切なくただステージを評価し続け、練習生を傷つけるどんでん返しもなかった虹プロいかに気持ちのいいオーディション番組であったかがわかると思います。


そして私は過去のJYPサバイバル以上に、放送時期も近かった日プと比べてやるせない気持ちになる瞬間が多々ありました。


まず、練習生たちの精神的疲弊について。

日プ放送終了後、各媒体にJO1のインタビューが掲載されていますよね。

「PRODUCE 101 JAPANで一番辛かったことは?」なんてのが鉄板の質問でしたが、とにかく"仲間が脱落していくのを見るのが辛かった"と答えるメンバーの多いこと。


順位発表は全部で3回、そしてファイナルステージでも約半分が脱落するのは最初から規定事項なので、絶対に避けられない。

最後に笑えるのは11人だけ。


虹プロは最後まで"全員デビュー"を目指すことができたので、それだけでも救いがあったように感じます。


また、特にゾッとしたのはもしデビューできていなかったら、推しに何が残っていたのか?ということ。

日プ時代から私が大平祥生くんを推していたことは、ブログを読んでくださっている方であればご存知だと思います。

正直、祥生くんが個人として良い結果を残したステージはありませんでした。グループバトル以外は、チームとしても負けていますしね。

それでも彼が逆境に負けず努力する姿が国プの心を打ち、国民投票という結果においては見事4位でデビューすることができたわけです。


では、もし祥生くんがデビューできていなかったら?


日プにもトレーナーによる指導はありますが、肝心の本番ステージについてプロの正式な評価を受けることができません。

練習生たちはなぜ自分たちのグループが負けたのかなぜ自分の個人順位が低かったのかはよくわからないまま。


更に言ってしまえば、私はコンセプトバトルの現場評価に参加した身だからわかるのですが、あそこで下される国プの評価は全く平等ではありません。

素人が歌やダンスを正確に審査できるわけないし、ステージ順や見ている位置・曲の好みなども影響してくるのでますます公平な判断はできないのです。


だからG-EGGの公開収録でユナクが「公開オーディションは実は公平ではない。だから今日もみなさんの投票を参考にはするけど直接結果には繋がらない」と言ってくれた時、私は首がもげるほどに頷いてしまいました。


プデュはあくまで人気投票。国プの人気を得てデビューできたらハッピーエンドだけど、脱落した子に残るものは一般人より少し高い程度の知名度だけ。(だからJO1以外にもデビューできる子が沢山いて本当に良かったと思います)

韓国発のオーディション番組ではありますが、順位発表の演出などを見る限りAKB48の総選挙にインスピレーションを受けていることは明らかですし、やっぱりベースが日本式なんですよね。


その点、虹プロで脱落してしまった練習生にとってはJ.Y.Parkからもらった数々の教えが大きな支えとなることでしょう。

出演したという経験自体が糧になるような番組だったのではないかと感じます。


そしてこれは最後に、笑い話にしないと受け入れられない事実なんですけど。


"国民プロデューサー代表"がいるはずの日プにはいなくて、むしろ虹プロにはいたのなんで??(泣)(笑)


スッキリ陣のみなさんは、視聴者と同じ立場で虹っ娘たちを見守りながら気持ちを代弁してくれるという最高の存在でした。

特に最後、NiziUが発表されてから開口一番「デビューメンバーが9人と告げられた時点でもう嬉しいという感情はなくなってしまいましたけど」(意訳)と言ってくださった加藤さん。本当にありがとうございます。我々も同じ気持ちです。


国民プロデューサー代表のように直接練習生と関わるようなポジションではなかったけど、どうしても重くなりがちなオーディション番組をちょうどいい温度感に保ってくれましたよね。


日プにもそういう存在がほしかった。

いや、いたはずなんだけど、最後まで何もしてくれなかったな。


国プによる恨み節は以上です。



④日本のアイドル育成現場が学ぶべきこと

私は日本のアイドルも大好きです。

確かにスキルだけ見ればK-POPには劣りますが、そもそも触れる琴線が違うというか、別ジャンルとして受け入れてます。


ただ、虹プロを通して改めて日本アイドル界(というか主に48と坂道系)の問題点を突きつけられた気がしました。

それは圧倒的にメンターが足りていないという現状。


他の子より少しでも光るものがあればオーディションに合格させ、そこから育てるのかと思いきや、育てない。


その姿勢は、総合プロデューサー秋元康の「自分には磨き切れなかったけど、他のプロデューサーが磨いてくれるかもしれない」「僕の能力にも限界があります」「僕の目は節穴です」の言葉にも表れています。

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これには秋元康系グループのシステムが深く関係していると思います。

まだ研究生の身分でも劇場公演に出たり握手会にも参加するから、売上がある。衣装は使いまわしが多くヘアメイクも常につく訳ではないので、運営が投資する金額が少ない。

つまり練習生期間の費用は100%事務所持ちという韓国アイドルに比べて、何が何でもヒットさせて投資した分を回収しなければならないという焦りがないのです。


そんな状況下で芽が出るのは、大きく分けて2パターン。


運営に推される子か、

自己プロデュースがずば抜けて上手い子。


自己プロデュースが上手いというのは、自分にしかない個性や長所を自分で見つけて伸ばせるということ。

自分が中学生や高校生だったらと考えてみて……果たしてそれができますか?って話ですよ。

そこをクリアして自らのポジションを確立したのがアカリンやさえぴぃ、なぎちゃんといったNMB48の面々なんですけど…この話は長くなるのでまた今度。


だからJ.Y.Parkは、虹プロの練習生たちに「短所がないことより、特別な長所が1つだけあることが大切」「自分のどんなところが特別なのかを知ることがスター性」と伝え続けました。

日本のアイドルの多くは、そんなこと誰にも教えてもらえない。自分で気づかなければならないのです。


9太郎さんの言葉を借りるなら「歌やダンスがうまい人に、視線や表情などの見せ方がうまい人が勝つことがある」し、日本のアイドルは活躍の場も様々なので「スキルが全てではない」というのは間違いないです。

ただ、そんな日本アイドルの在り方を正当化するのであれば個々の魅力を伸ばす教育に重きを置くべきであって。

各々の個性を見つけてあげることがプロデュースする側の使命だと思うのです。



では、平均的な日本のアイドル教育現場で一体どんな指導が行われているのかというと、私の場合は大体こんなのが思い浮かびます。

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大好きな=LOVE(イコラブ)のデビュー前の合宿。

見ていただければわかるんですが、先生まじ威圧的!「死ぬ気でやってんのか」って精神論のオンパレード!呆れた先生が帰る!メンバーが追いかけて「やらせてください」と懇願する!みたいな。よくある流れですよね。特に先生が帰るやつ、もはや伝統芸かって。

こういうやり方は48グループだけでなく、私が幼い頃に見ていたモー娘。のオーディションとかも同じだったかなと思います。多分、日本人が好きなやり方。


逆に、K-POPヲタクになって驚いたことの1つとして「練習生が理不尽に怒鳴られない」というのがありました。

特に今でも覚えているのが、デビュー前のf(x)の映像。確かSMのドキュメンタリー「I AM」の中で見かけたシーンだったと思うんですけど。(違ったらごめんなさい)


デビューを目前にして思い通りにパフォーマンスできない不安からかソルリが泣いていると、トレーナーの先生が優しく「あなたは十分によくやってるよ」と励ますんです。

あれだけ完璧なステージを見せてくれるK-POPアイドルは、きっと日本のアイドル以上に怒られているのだろうと思っていたので衝撃的でした。


このエピソードも、結局は練習生システムの有無に起因するんだと思います。

韓国の練習生生活では常に競争を強いられ、極限の心理状態でも自らを奮い立たせてデビューに辿り着いた子であれば、既に強靭な精神が備わっています。

一方、日本のアイドルは素人の中からいきなりアイドルを選抜するわけで、心構えなんてできていない子がほとんど。"プロ意識"だって口で説明しても理解できるわけないので、まずは思いっきりボコボコにしてから始めるんです。


どちらが正しいかが一概に言えませんが、正直日本のアイドル教育って健全ではないなと思います。



というわけで振り出しに戻りますけど、歌もダンスも高いレベルを求めた上で「テクニックは二の次」と個性や人間性の大切さも説いてくれるJ.Y.Parkは神。神通り越して釈迦。

今の日本のアイドル界に必要なのは彼のようなプロデューサーだと強く感じました。



おまけ:アイドルのローカライズ戦略について

これはおまけ的なメモとして読んでほしいのですが、JYPが数年前から日本に特化したチームを作るために日本人練習生を集めていたことは有名な話です。

サナ・モモ・ミナの他にも、現在FANATICSのメンバーとして活動しているシカや、南りほなんかもそのメンバーでした。

そのグループが頓挫してTWICEがデビューした後も、新たな日本プロジェクトに向けてマコ・リマ・ミイヒなど集めていたわけですよね。


そんなJYPの方針について気になっていたのは「K-POPアイドルになることを目指して韓国に渡った子たちが、日本でデビューするのは本望なのだろうか?」ということ。

実際、それは違うということで事務所を去ったと言われている日本人練習生もいますし(※事実についてはわかりません)、私も「そりゃそうだよな」というのが率直な感想でした。


しかし今回、虹プロ及びNiziUの大成功を目の当たりにすることとなり、K-POPのローカライズ戦略が新しい局面を迎えたと感じています。

自社アイドルの強みを生かしながら、外国でメンバーを募り、その国に拠点を置いて活動していく。

JYPは今後、虹プロのような形でアジアを中心に攻めていくのでは?と思います。


でもこの方法って日韓だけ比べてもかなり理にかなっていて、例えば日本をベースにすることで韓国みたいに週6回の音楽番組出演して疲弊する必要もなし。

韓国だとアイドルはヲタクにしか認知されないので仕事の幅も狭いけど、日本なら比較的簡単にバラエティやドラマにも出ることが可能ですしね。


このビジネスは既に48グループが成功させている形でもあり、決してJYPがパイオニアという訳ではありません。

海外の姉妹グループとして初めて誕生させたインドネシアのJKT48は大ヒット。現地のオーディションに受かったメンバーが「会いたかった」や「恋するフォーチュンクッキー」などの現地語verを歌うのです。

最近はタイのBNK48も好調のようで、なんなら今のAKB48より国民的アイドルになった印象。更にベトナムのSGO48やフィリピンのMNL48など、続々と現地グループを誕生させています。


ちなみに中国のSNH48は現在、日本の事務所と揉めて契約が解消されているため実質48グループとは関係なくなっています。中国に振り回される韓国アイドル界を見てきた身としては納得でしかない。


ここのところ、Twitterなどで「JO1やNiziUはJ-POPなのか?それともK-POPなのか?」といった議論が交わされているのをよく見かけますが、

もはや日本・韓国・中国といった垣根さえ越えて、アジア全体が1つの大きなアイドル市場として認識される日が近いのかもしれません。


考えるだけでワクワクしますよね。その日まで、私もアイドル研究に勤しんでまいりたいと思います。




さて、今回もダラダラと長い記事になってしまい本当に申し訳ありません。学習して目次をつけてみたので許して!!

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。